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『プリンセス・プリンシパル』case順上映会&トークショー

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2017年10月27日に開催された『プリンセス・プリンシパル』case順上映会に行ってきました。今回の上映会はトークショーが(しかも3回も)ついており、とても楽しい時間を過ごすことができました。テレビ放送時とは異なりcase順での上映でした。タイムスケジュールは以下の通りです。

 

15:00~16:40 上映(case1・2・7・9)

16:40~17:10 トークショー第1部

17:10~17:20 休憩

17:20~19:00 上映(case11・13・16・18)

19:00~19:30 トークショー第2部

19:30~19:40 休憩

19:40~21:20 上映(case20・22・23・24)

21:20~21:50 トークショー第3部

 

 以下、トークショーの内容について書いていきたいと思います。

(間違いなどがあれば指摘してくだされば大変嬉しいです)

 

トークショーが始まる直前、司会の方から様々な注意事項とともに、各トークショーで来場者から質問を募るコーナーがあるが、2期や続編についての質問を控える(気になる人は秘密のレポートを聴くようにとのこと)ように言われました。

 

トークショー第1部では、監督の橘正紀さん、音響監督の岩浪美和さん、プリンセス役の関根明良さん、ベアトリス役の影山灯さん、チーフプロデューサーの湯川淳さんの5人が登場しました。

一通り自己紹介が終わった後、最初に音響監督の岩浪さんがいきなり「2期や続編はどうなんすかね」と質問。これに対してプロデューサーの湯川さんは、今度の4月のイベントまでにいい報告ができるように頑張っているけど、あと一声欲しいと回答。「本当にもうあと一声なんです」「この劇場にいる方が全員買ってくれれば行けます!」

円盤のDMもそこそこに、話題は音響の話に。今回の上映会の音響は実は岩浪さんが特別にセッティングしたもので、スクリーンの真ん中と劇場後方からも音が出るように、もともとのステレオ音声を調整したそうです。トークショーの打ち合わせよりも気合を入れていたとか(笑)。岩浪さんいわく「スマホから映画館まで」対応できるような音作りをしたそうです。確かに、上映会では銃や刀などの戦闘や機械音、環境音がリアルに聴こえ迫力が凄い印象でした。

アフレコのときの裏話もとても面白かったです。プリンセス役の関根明良さんは、プリンセスを演じる時に、"ロイヤルさ"を出すのに苦労したそうです。岩浪さんからも「ロイヤルが足りない!」と言われたみたいです。ただ、完璧なプリンセスも時にはロイヤルじゃないときもあるので、そういう時は「ロイヤル度40%」「ロイヤル度60%」などの指示が出されたそうです。他にも、ちせ役の古木のぞみさんは「お前には萌えは求めていないから、侍に徹してくれ」と言われたそうです。それにしても、「ロイヤル、黒蜥蜴成人、お色気、萌え、侍」などプリンシパルのチームはキャラが濃いですね(笑)。キャラと中の人の性格が似ているかについては、「古木さんは違う!」。ちなみに1話のアフレコでマイクの並びが、今村さんと関根さんの間に古木さんがいる順番になったのが、ずっとそのままになったので、古木さんが「私が二人の間に入っていていいの?」と気にしていたそうです。

第11話で「プリンセスの真似をするアンジェの真似をするプリンセス」が出てきたときには、アフレコ現場でアンジェとプリンセスのセリフがごちゃごちゃになって混乱したので、「関根さん」「今村さん」という風に中の人の名前を呼んで区別したそうです。それにしても、アンジェがプリンセスに変装した時は今村さんがプリンセスの声真似を、プリンセスがアンジェに変装した時はさんがアンジェの声真似をそれぞれしているのは凄いですよね。

声真似と言えばベアトですが、ベアトの場合は中の人を入れ替えてアフレコをしています。話題に上がったのは、第4話に出てきた玄田さんの警備員の声でした(実は若本さんが担当する案もあったとか)。「警備員の声」「警備員の声を真似るベアトの声」「警備員の声のまま普通に喋るベアト」という微妙に異なる3パターンを演じ分けた玄田さんの演技は凄かったですね。あと、ベアトが戦闘中やシリアスな場面でときどき見せる可愛い動きも話題になっていました。(戦闘中のベアトのコミカルかわいい場面まとめ動画とか、誰か作ってくれませんかね・・・?)

ちなみに、第1部が終わり5人が退場するときに、関根さんと影山さんの二人が「どすこい」をしながら退場したので、下の状況の再現が見られて凄かったですw

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トークショー第2部では、メカニカルデザイン片貝文洋さん、プロップデザインのあきづきりょうさん、引き続き監督の橘正紀さんとチーフプロデューサーの湯川淳さんがトークされました。片貝さんとあきづきさんは、作中に出てくる様々な道具のデザインを担当されていて、主に片貝さんは大道具を、あきづきさんは小道具を担当されていました。

あきづきさんは本当にたくさんの数の小道具を担当されたそうで、その数は某ガルガンディアほどではないものの、数が多くて大変だったそうです。クリケットの道具などの一回限りの道具から、アンジェのオムレツ(実は昼と夜で違う)、サンドウィッチ、ケーキスタンドもデザインしたそうです。橘監督いわく、オムレツの資料写真だけを渡しても上手く絵にできないアニメーターもいるので、オムレツのデザインも頼んだとのこと。

片貝さんはドロシーたちの車のデザインに苦心したそうです。監督から1910年代とか1920年代あたりの車(このころにはガソリン車が主流でしたが)をイメージするように言われたのはいいものの、ガソリン車と違い蒸気機関の自動車は音が静かなので、このままでは音に迫力が出ないことに。結果、ターボを付けることで、蒸気機関という設定を保ちつつ、迫力あるカーアクションを実現させました。

ところで、よく考えると作品の設定では19世紀末の世界が舞台なのに、車のデザインは1920年代なのは変な気がしますが、そこはスチームパンクという架空の世界なので大丈夫だと判断したそうです。第5話で出てきた蒸気機関車の先頭車両のデザインもかっこいいという理由で1920年ごろのデザインが採用されています。

他にも制作裏話としては、ちせの持っている刀のつばを猫の形にする案が没になったり、初期の段階ではプリキュアみたいな路線も健闘されていて、もしかしたらアンジェの髪の毛がピンクになっていたかもしれなかったそうです。でも、やっぱり髪の毛の色は現実的にする方向になって現在の色に落ち着くことに。そのアンジェのキャラデザですが、黒星先生には自由にデザインしてもらった結果、アンジェがスパイ姿の時にあの目立つ帽子を被り全然忍んでいないので、アンジェのスパイ姿が目立たないような世界作りを心掛けたそうです。 

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第3部では、リサーチャーの白土晴一さん、設定協力の速水螺旋人さん、こちらでも引き続き監督の橘正紀さんとチーフプロデューサーの湯川淳さんがトークしました。第3部では白土さんと螺旋人さんのお二人の話が中心でした。まずはリサーチャーと設定協力が何をする役割なのかですが、作中の設定や脚本や台詞について、時代背景などの観点から、世界観や設定が広がるように助言したり、細かい設定のリサーチをなさっていたそうです。ただ特に2人で役割分担は明確にはありませんでした。

さて、一口にスパイ物と言っても、007からチャーリーエンジェルまで幅広いわけで、「スパイ物とは何ぞや」を問う会議を開き、どのような要素がスパイ物たるかを出し合って、スパイ物という概念のすり合わせをしたそうです(「スチームパンクとは何ぞや」も同様に)。

様々な事物に関して幅広い知識をもつお二人ですが、制作会議では、各国のスパイの違いや各種スパイの役割の違いなど本編に関連しそうな話から、アフリカの政治や下水道の話まで、あまりにもマニアックすぎる色んな話をしたそうで、監督は「濃すぎる話は使えそうなところだけ憶えておいて、あとは耳から抜けていく」「だから何度聞いても新鮮」と言っていました(笑)。お二人も「0.5%でに使われたら上々」だと言っていました。

設定についての会議の時も、この設定がいい!と、お二人で盛り上がることはあったものの、「この二人が盛り上がるということはダメだということ」(湯川さん)とのことで、チーフの権限で却下することもしばしば。没案の中には、「スチームパンクインターネット」(管内のスチームの圧力の違いで信号を送る?!)、「ちせをインド人にする」(この想いは実はガゼルに反映されていたりする)、「蒸気を吹き出すノル公」(ノルマンディー公が背中に蒸気機関の動力を持っていてその力でアンジェを殴る)など、色々あったようです。

当時の実際の洗濯工場の構造や働く人のマニュアルなどもリサーチしたそうで、小さくなった石鹸を固めるために、たわしに石鹸をくっつけて、たわしが滑りやすくなることという細かいところまで作中で描写されていました。また。当時の機械がアメリカ製のものが多かったため、機械に書いている英語を敢えてアメリカ英語にしたそうです。「洗濯工場をベルトコンベア式にした最初のアニメ」だとお二人は嬉しそうに語っていました。

お二人の構想のうち実際に反映されたのがどのくらいかは分かりませんが、お二人のおかげで、例えばモルグや洗濯工場の描写のように、作品世界が豊かになったことは確かなようです。

質問コーナーでは、黒蜥蜴星人の設定は最も初期の段階で大河内さんの中にあったことや、「カサブランカの白い家」の理由は秘密であることや、ちせの出身地が佐賀県になった理由は特にないことなど、様々な裏話が聞けて大変楽しかったです。

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 ↑確かにアメリカ英語になっています。

 

 

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トークショーが終わった後は、最後に様々な告知がありましたが、そこで第3巻のジャケット絵が初めて公開されていました(絵柄はドロシー)。果たして、4月29日のイベントで嬉しい知らせは来るのか、そのためには(ry

 

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